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9月5日(現地時間)ソニーが自社最小・最軽量のフルフレームEマウントカメラ「ILX-LR1」を公開した。ソニーa7R Vと同じ6100万画素の高解像度イメージセンサーと最新のビオンズ(Bionz)XRプロセッサーを搭載した高級カメラだ。4K解像度60fps動画録画をサポートし、S-Log3、S-シネトンなどのソニー動画特化フィルターの使用も可能だ。
■ ILX-LR1の正体は？画面・バッテリーなしの「ドローン用カメラ」
ソニーはILX-LR1をドローン用カメラとして紹介した。フルフレームセンサーを搭載したが、サイズが小さく、重量が軽いため、ドローンに取り付けるのに適しているという話だ。サイズは横100mm、縦42mm、高さ74mmで、他のフルフレームカメラよりも横縦の長さが20mmほど短い。重量は240gで、同じイメージセンサーを使用するa7R V(723g)の3分の1程度だ。
どのようにサイズと重量をこれだけまで減らしたのか。一般カメラに当然あるべき要素をILX-LR1では取り除いたためだ。公開されたイメージを見ると、ILX-LR1にはビューファインダーやディスプレイがない。ドローンに取り付けて使用するカメラだから画面を見ながら操作することはほとんどないためだ。
さらにバッテリースロットもなくした。後面の10-18V端子にドローンケーブルを接続して電力を供給する。本体にビューファインダーやディスプレイ、バッテリーが入るスペースを節約した。手で持って使うカメラではないため、グリップもない。
ソニーはカメラが小さく軽くなった分、ドローンの飛行時間を延ばせると主張した。しかしカメラを動作させるためにドローンのバッテリーを使用するため、実際の飛行時間は従来と同じか、短い場合もある。
■ 遠隔制御対応でドローン・ロボット・潜水艦に取り付け可能
製品底面には1/4インチ規格のネジ穴があり、カメラの取り付けが可能なドローンに取り付けることができる。また、本体外部の各所にM3規格のネジ穴を配置し、ドローン以外にも産業用機械やロボット、潜水艦に取り付けることができるよう設計した。
ILX-LR1はソニーのリモートカメラソフトウェア開発キット(SDK)をサポートする。該当SDKをサポートするカメラはスマートフォンアプリやPCでカメラ画面を見てリモートで制御することが可能だ。ソニーはデータ通信遅延時間を短縮し、特定の瞬間写真を撮影するような即座の反応も可能だと明らかにした。
ソニーはアメリカのドローン製造会社スカイフィッシュ(Skyfish)、無人航空機製造業者イベント38(Event 38)製品でILX-LR1の性能をテストしたと明らかにした。スカイフィッシュドローン、イベント38無人航空機にILX-LR1を取り付けて測量・セキュリティ・研究など様々な目的で写真や映像を撮影することができる。その他にもソニーのリモートカメラSDKをサポートするドローンであればILX-LR1の使用が可能なことが見込まれる。
ただし、2020年11月にソニーが発表したドローン「エアピーク(Airpeak) S1」には対応しない。エアピーク S1はソニーミラーレスカメラを搭載して使用する映像撮影用ドローンだ。該当製品がILX-LR1をサポートしない理由は明らかにされていない。
ソニーILX-LR1の発売価格は2950ドル(約392万円)とされた。
■ SDKもアップデート…ドローン撮影に適したリモート機能追加予定
一方、ソニーはILX-LR1を発表しながら、リモートカメラSDKのアップデートも公開した。
現在のリモートカメラSDKはカメラと離れている状態で写真や動画を撮影したり、画面を確認する機能をサポートしている。一部の撮影設定を変えることも可能だ。
今回公開したアップデートにはILX-LR1のようにカメラをドローンに取り付けて使用するのに便利な機能がいくつか追加される。△現在の焦点距離を確認して変更する機能 △インターバル撮影 △AF追跡感度調整を含む、写真や動画撮影に役立つメニューが追加される。また、録画開始・終了時に通知を表示する機能も提供する予定だ。
2023年9月時点のリモートカメラSDKをサポートするモデルはa6700、a7C、a7M4、a7R4以上、a7S3、a9M2、a1、FX6V、FX6T、FX3、FX30、ZV-E1、RX0M2だ。来る9月13日のアップデートで対応機器リストにa7C Rとa7C IIが追加され、11月のアップデートでILX-LR1が追加される予定だ。
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